藪会は緑化樹木の命を大切に思う人々の集団で、樹木自身の持つ自然回復力による樹木の樹勢回復を主眼に取り組んでいます。この樹木の持つ自然回復力を引き出すために人間はどのような手助けができるだろうか、どのような治療の方法があるだろうか、自然の回復力の活用を研究のテーマにしています。
4月23日(土)、下記要領で藪会現地研修会を開催します。
コロナ禍で延期となっておりました栃木県那須研修ですが、現在の感染状況を考慮して一日研修として開催するものです。参加募集人数についても30名に限定して新型コロナウィルス感染防止に配慮した形で行います。
参加希望者は 【別紙1】「NPO法人藪会現地研修会参加申込書(会員用)」 で 4月10日(日)までに担当の齊藤あて申し込みください。
この研修は会員を対象としておりますが、会員外の方が参加希望する場合は、お手数ですが 【別紙2】「NPO法人藪会現地研修会参加申込書(会員外)」でお申し込みください。
記
以上
1. 開催日時
令和4年4月23日土曜日 (雨天決行)
2. 開催場所
栃木県那須塩原市 長谷川園 様 圃場
3.集合時間・場所
◇集合時間 午前9時00分
◇集合場所 栃木県那須塩原市四区町728-1 長谷川園 様 圃場内駐車場
4.研修日程
◇ 午前9時~受付開始
9:30~12:00研修 前回治療木の検証、協議のうえ方針決定~再治療等の実技の研修
12:00~13:00昼食休憩、
13:00~15:30研修終了後車座検討会
16:00解散
5.参加申し込み先
別添申込用紙にて、下記の宛先に申込みください。(担当:斎藤)
● FAX : 044-966-3916 または e-mail : yabukaiyorozuya@ace.ocn.ne.jp
6.参加費・・・・・ 昼食代、研修材料代を含む (現地までの交通費は各自負担)
◇会 員 3,000円
◇会員外 7,000円
● 参加費は4月15日(月)までに、下記指定口座にお振込みください。
かすがちょうしてん
振込み先口座 三菱東京UFJ銀行 春日町支店 普通口座 1699714
とくていひえいりかつどうほうじんやぶかい りじちょう あおやぎよしあき
口座名義 特定非営利活動法人藪会 理事長 青柳 義昭
7.その他
(1)参加者は作業のできる服装で参加してください。マスクは、各自ご用意ください。
(2)治療用の資材は事務局で準備しますが、治療用の道具は各自、ご愛用のものをご持参ください。
(3)開催内容、その他の照会は事務局担当の 齊藤 (携帯 090-3576-7247) までご連絡ください。
例年2月に東京農大で行っている通常総会について、今年も昨年度同様、新型コロナウィールスの感染拡大の状況に鑑み、従来の“一堂に会しての総会”はとりやめ、代わりに「書面決議」の形で会員の意思確認を行わせていただきながら、去る2月27日(日)に東京都町田市において、理事の一部が出席し開催いたしました。
「総会議案書」は1月の理事会の承認後、2月初旬までに「書面決議書」を同封のうえ各会員宛て郵送しており、その返信内容を確認のうえ、所定の報告・審議等を行なったものです。その概況について報告いたします。
◇開催日時 令和4年2月27日(日) 10:00~11:30
◇会 場 東京都町田市 東京綜合造園事務所
◇参加者 理事長、副理事長、理事6名、監事2名の計10名
◇書面表決書提出数 正会員92名中63名
(⇒第1号・第2号議案について、63名全員のかたから“承認”の表決書をいただきました。)
◇議 長 大澤技術部長
◇議事録署名人 小西監事、小林監事
◎全体の司会進行は内田総務部長が担当し、青柳理事長の会長挨拶に引き続き、大澤議長の議事進行により議案の審議が行われました。各議事の審議等の状況は次のとおりです。
●第1号議案 令和3年度事業報告書の承認について
⇒齊藤副理事長からの説明がなされ、異議なく了承されました。
●第2号議案 令和3年度財産目録・貸借対照表・損益計算書の承認について
⇒内田総務部長からの説明がなされ、異議なく了承されました。
●第3号議案 令和4年度事業計画について(理事会からの報告)
⇒齊藤副理事長からの報告がなされました。
●第4号議案 令和4年度収支予算について(理事会からの報告)
⇒内田総務部長からの報告がなされました。
その他の議案上程はなく、11:30通常総会を閉会しました。
近々発行予定の会員証に関しては、次のとおりです。
1. 記載事項は、氏名、会員番号、在住地(都道府県)
2. 作成料は無料
3. 有効期限はなし(不定期で新品に交換します)
4. 裏面に注意事項を記載
我が家には 猫の額ほどの小さな庭がある。小さな庭には所狭しと草花が各々の場所を占め、四季折りおりにそれぞれ花を咲かせ季節を彩ってくれる。庭の移ろいを気ままに庭日誌として記録している。小さな庭には2種類のギボウシがある。オオバギボウシとヒメギボウシだ。
この2種類は開花時期にタイムラグがある。ヒメギボウシが遅く咲くのはつねづね感じてきたが、どれだけのタイムラグがあるものかと気になって庭日誌を開いて見た。
この3年間を見てみると、各々のギボウシの開花日は、一週間~10日ほどの差がある。
一方、オオバギボウシが開花してヒメギボウシが開花するまでには一ヶ月前後(31~34日)の時間差があるのに、そのタイムラグの差は3日程度である。どう考えたらよいだろうか?
似かよった生育環境にあると、意外と違わないかも知れない。
「桜祭りの看板に誘われて行ってみたけど桜は全然咲いてなかった」なんて話を聞いた事はありませんか? せっかく花見に出かけていって桜が咲いていないでは寂しいですよね。
桜祭りの開催日はどのようにして決めるのだろうか? 桜は暦をみて咲いてくれるわけではない。桜祭りの開催は少なくても開花の1ヶ月以上前には決定しなくてはならないであろう。ソメイヨシノの開花予想の算定式として「積算温度600度法則」もあるが、これでは1ケ月以上早いタイミングで開花を予測する事は難しい。
オオバギボウシのように、目的の植物(この場合はヒメギボウシ)に先んじて開花し、目的の植物の開花の予測が出来るとなれば都合が良い。
ソメイヨシノの場合でも、同じような環境下に早咲きの寒桜やカワヅザクラを植栽し、ソメイヨシノの開花時期を知る事は出来ないだろうか?
その昔、静岡のカワヅザクラと福島県三春の滝桜とに相関はないだろうかと調べてみた事がある。結果は残念ながら、生育地が遠く離れている事などから相関を見ることは出来なかった。
もし、環境や距離の近いところで、先駆的に咲いてくれる植物から目的の植物の開花予測日を知る事が出来るとなれば、花のない桜祭りから解放されるのでないだろうか?!
桜の季節が近づくと、ふとそんなことを考える今日この頃である。
◇作業概要としては次のとおりです。
1.枯れ枝や重なり枝等の不要枝切除のうえ骨格剪定を実施
2.長谷川式土壌貫入計を使って土壌硬度を測定
3.ワカホ21袋を半径3mの人止め柵内外に施用
①柵内はエアースコップを使って深さ30~40cm程度まで
土壌の膨軟化を図りながらワカホを混入撹拌
②柵外1m程度は、つぼ掘り状に縦穴を開け、エアで土の
ほぐし作業を実施
◇土壌の状態としては人止め柵で囲われている半径3mの範囲
は柔らかい状態を保っていたが、柵外はガラ混じり土であり、
踏圧により相当に固結した状態であった。
◆代々木公園のこのサイカチは藪会にとって記念すべきとても大事な樹です。藪会式不定根誘導による樹勢回復技術が緑化関係者から注目され、その驚嘆すべき大いなる成果として、このサイカチの治療を施したあとの太く成長した不定根の写真が(財)日本緑化センターの機関紙グリーンエージの2011年(平成23年)2月号の表紙を飾っています。〔前頁下欄左側の写真参照〕
近年入会した新たな会員も増えてきていることから、改めてこの代々木公園のサイカチについての本会の関わりや治療等の経緯にふれておきます。
◇平成12年2月、第1回不定根誘導による樹勢回復治療が始まった当時のサイカチは、枯死寸前の状態であったが、故内田親方の見立てでは推定樹齢300年で、もともとは樹高12m、幹周3.3m、枝張10mの巨樹であった。根元付近の樹幹には腐朽により人がすっぽりと収まるほどのウロ(空洞)ができていて、鉄筋入りのモルタルが100kg以上充填されていた。
◇藪会の治療ではそのモルタルや腐朽部を取り除き、そこに50袋の「キノネデール」を充填して不定根の発生を促し、植栽地盤には土壌改良材「ワカホ」を投入するという樹勢回復治療を施したのである。
◇その後、平成15年、18年、21年と3年ごとに治療部位を開いてその回復状況の検証と再治療を行ってきた。経過は良好に推移し、11年後の平成23年1月の5回目の検証作業をもって目標を達成できたと判断して幹の不定根部分のキノネデールを撤去して開放することとした。またその際に、広く一般の方にも知っていただくべく、藪会の名前が入った説明看板を設置している。
◇しかしその年(平成23年)秋に、台風による猛烈な風によって太枝が折損してしまうという手痛い被害が発生した。そして翌平成24年に被害部の手当を行い、それをもって一旦治療は終了となった。
◆今回は10年ぶりに治療にあたることができました。この先も継続的に携われるように公園サイドとは良好な関係を保っていくことが肝要です。そのことも踏まえ、今後とも定期的に今回のような作業を実施していくと共に、経過観察もしっかりと行っていきたいと考えています。
《関連しての話題です》
(1) サイカチという樹木は代々木の地名の由来に関係しており、「この地で代々、木(サイカチ)を栽培していた」ということから「代々木」となったのだそうです。
(2)世界的染色家の柚木沙弥郎さん(御年100歳)が、治療中のサイカチを見てインスピレーションを得て「いのちの樹」という作品を製作されていらっしゃいます。(←左の絵)
◆冬が終わり春めいてきた公園や庭で、葉はまだ出ていない枝に白い大きな花を咲かせるコブシとハクモクレン。花期はどちらも3月~4月のほぼ同じ時期に咲き、花や蕾、木肌・枝ぶりの様子が似ているので、混同されやすく、ある程度慣れた人でも見まちがう場合がある。
◆コブシの蕾は日の当たり方で発達が異なり、日の当たる南側がよく発達すると蕾の先は北向きになる。 全体のイメージとしては、コブシの蕾や花はあちこちを向いていて花の下方に葉が1枚ついている。
一方、ハクモクレンにはその葉はついてなくて、蕾や花は概ね上方や斜め上を向いている。 身近で見た時の違いとしては、コブシの方が野趣に富むすらっとした感じで、ハクモクレンは枝ぶりや花の様子が派手・あでやか・大ぶりな感じである。
◇ コロナ禍で中止を余儀なくされていたイベントや研修会等が少しずつ復活してきています。栃木研修も久しぶりです。参加の皆さんはくれぐれも感染予防策と意識づけを忘れずに!
◇ 今号に関する問い合わせやご意見などは、下記の事務局&広報部担当までお寄せください。
・事務局 齊 藤 (副理事長)・・・・携帯:090-3576-7247
・ 〃 内 田 (総務部長)・・・・携帯:090-3877-0207
・ 〃 五十嵐(広報部長)・・・・携帯:090-7799-8677